家族のつながり

パワーストラグル

miyukokoro

「あんたが悪い、わたしが正しい」ということをお互いにケンカをして主張しあっている状態です。

カウンセリングでも、時々この、けんかが絶えなくてなんとかしたい、というご相談をいただくことがあります。

そこには、「あんなに仲が良かったのに、なんでこんなにけんかになってしまうのだろう?」とか、「けんかしてないときは仲よくできるのに、けんかにならない方法はないんだろうか?」という思いがあります。

でも、このけんかができるということは大切なことでもあるんです。それは、親密感があるということのあかしでもあるわけなんです。

逆に、「結婚して10年間、けんかしたことがないんです」というお話しのほうが、気になってしまいます。それは、お互いのこころの距離が離れたままだということですから。

ところが、この「パワーストラグル」のけんかばかりの状態が続いて出口が見えなくなっていると、やがて「デッドゾーン」というところにたどり着きます。あきらめで、お互いに死んだような状態になってしまって、どうしようもない感じがするところです。

パワーストラグルもデッドゾーンも、それが短い時間ならよいのですが、何年も、何十年も続くとなると、お互いにすごく消耗してしまいますし、人生の時間をそこにつぎこんでしまうのも、もったいない話しですよね。

もし、パワーストラグルやデッドゾーンに陥ったとしても、それが数時間とか数日程度で越えられるとしたら、人生のちょっとしたアクセントになって、いいのかもしれません。

では、「あんたが悪い、わたしが正しい」と主張したくなる時って、こころの中はどうなっているのでしょうか。

わたしたちが自分のことで何かを強く主張したくなるときというのは、そのことがどうしても自分で信じられないときなんです。すなわち、「わたしが正しい」と主張したいということは、こころの中では、「わたしは悪い子なんです。どうしようもないんです」と感じているということを表します。

だから、そのどうしようもない悪い子を救ってほしいという願いを相手に託そうとします。「お願い。このわたしの悪い気分をなんとかして!」

ところが、素直にお願いできれば、まだいいのですが、そんなことはできませんよね。「あんたが悪いねん!あやまれよ!え?わたしが悪いちゅーんか!」と、いきなり悪い態度に出てしまったりします。

そして、そんな自分自身にも罪悪感を感じてしまい、罪悪感を感じるぶんだけ自分から謝ったりはできなくなってしまいます。

そこには、怒りと罪悪感とでぐちゃぐちゃになってしまっている心があるのかもしれません。

感情は共鳴しますから、相手もその怒りと罪悪感に翻弄されて、泥沼状態に、、、

でも、やってしまったものは、しかたないですから。

まずは、やってしまった自分自身を許してあげてください。「嫌なものをぶつけちゃったなー。でも、あの時はそれしかできなかったからなー」それしかできないくらい、いっぱいいっぱいになっていた自分自身を、もし許すことができたら、「ごめんね」と言えるかもしれません。

そして、もし、「ごめんね」が言えない相手がいるとしたら、自分を責めすぎて罪悪感まみれのままで、まだもがきつづけているのをちょっと感じてみてあげてください。

このパワーストラグルが起きるときの心の奥深くには、お互いの過去の傷がいっぱい埋まっています。それが噴き出してくるのもしんどいことの原因のひとつなんです。でも、なぜそれが噴き出してくるかといえば、その傷を癒したいという、こころの自然な動きがあるからなのです。

その意味では、パワーストラグルになってしまう相手というのは、お互いのこころの傷を癒すためのパートナーでもあるはずなのですね。

ABOUT ME
心結(Miyu)
心結(Miyu)
心と魂の声を結ぶライフコ―チ
“心”と“魂”がすれ違っていた私が、内なる声と調和しながら、 本来の私を思い出していく ──その旅に、寄り添い続けます。
記事URLをコピーしました