ひとりで頑張ってきたあなたへ

——話せなかった私が、少しずつ心をひらけるようになるまで
「話すことが苦手です」
そう口にすることすら、私にとっては勇気のいることでした。
小さい頃から、
自分で決めて、自分で動くのが当たり前。
病弱な両親、兄弟の真ん中で、
“お姉ちゃん”として生きる選択を無意識にしていた私にとって、
「人に相談する」という選択肢はほとんどありませんでした。
話さないことで、自分を守ってきた
母にも、兄弟にも、一生懸命な気持ちが伝わらず、
否定されることが何度かありました。
「話しても、わかってもらえない」
そんな思いが積み重なると、
幼いながらに、話さないほうが自分を守れると思うようになっていたんですね。もちろん気づかぬままに・・・
だから私は、友人といても聞き役。
自分の悩みや気持ちは、どこか遠くに置いていたんです。
「話さない自分」をつくった日
ある日、友人に、夫婦のことを少しだけ誰かに話したとき、
「みゆちゃんがそんなことで悩んでるなんて思わなかった」と言われました。
——やっぱり、私って、
普段から自分のこと話してないから、上手に伝えられないし、伝わらない存在なんだぁ。
その時、わかってもらえなかった気持ちで胸の奥がギュッとなるのを感じて、
私はまた「話さない自分」を無意識に作っていったんです。
でも、本当は——
大勢で楽しそうにしている人たちを見ると、
心のどこかでうらやましくなることもありました。
私は大勢の中にいても、
何を話せばいいのか、どう話せば伝わるのかわからない。
だけど、悲しい時、寂しい時、うれしい時、
その気持ちを誰かと分かち合えたら、
きっとそれは素敵なことなんだろうな、とも思うんです。
話すことは「選んでいい」
ただ、実際、頑張って話してみたら、傷ついた経験もありました。
だから、誰にでも話せばいいというわけじゃないですね。
大切なのは、「誰に話すか」を自分で選ぶこと。
そうすれば、自分を守りながら、心をひらくこともできるようになる。
少しずつだけど、私はそんなふうにして
「話しても大丈夫」と思える相手とつながることができました。
あなたが話しても大丈夫な場所でありたい
「辛いことを言葉にする」って、とても勇気のいること。
でも、その思いに寄り添ってくれる誰かと出会えたなら、
あなたの心は、きっと少しずつ癒えていきます。
もしかしたら、
今の私だからこそ、そっと寄り添えることがあるかもしれません。
無理に何かを変えようとしなくても、
あなたがあなたのままで、少しずつ心を開いていける。
そんな場所でありたいと思っています。
「話せるようになる過程」を一緒に歩んでいけたらうれしいです。
話せなかった過去も、一人でがんばってきた今までの自分も、
ぜんぶ「よくやってきたね」と抱きしめて、
少しずつ心の扉を開いていけたらいいなと思います。